お客様は神様じゃない?

日本での生活に慣れていると特に、海外での小売店や飲食店の
サービスの悪さに驚くことが多いと思います。

逆に私のように海外生活が長い人間がたまに日本に帰ると、
そのあまりの親切・丁寧ぶりに感動してしまいます。

日本のおもてなしの精神は、日本を訪れる多くの外国人からも
高い評価を受けていることは間違いありません。

そのため幸か不幸か日本ではお客さまはお客さま然としていますが、
フランスでは全く違います。

フランスではお店などサ-ビスを提供する側と、そのサ-ビスを
享受する側の関係は対等、時には客側が下だったり(!)するのです。

まずお店に入る時やレジで対応してもらう時には必ずお客さん側も
「こんにちは」、店を出る時には「さようなら」と声を掛けます。

これはフランスでは一般常識で、これをしない人は
お客側といえど非常識、マナ-違反とみなされます。

フランス人は気分で仕事をしている人が多い(笑)ので、
とにかくお客側も愛想を振りまくことが重要なのです。

でもこれはそもそもの習慣・文化の違いなので、それはそれで
「そういうものだ」と理解しておけばいいのです。

フランスではサ-ビスは無料ではなく、だからこそ良いサ-ビスには
チップを払うという習慣があるんですね。

なのでサ-ビス悪い時には堂々とチップは払わずに出てしまいましょう!

【編集後記】

先週の土曜日、パリでは nuit blanche ( ニュイ・ブランシュ)という
イベントがありました。直訳すると白夜という意味ですが、
2002年に始まった現代ア-トの祭典で、この日は夜通し街中が
舞台やアートギャラリーに変身します。

このイベントは街や美術館、モニュメント、公園をなんと無料で
再発見する機会を与えてくれます。

この日は天気も良く、夕食を終えた夜10時頃からパ-トナ-と
ちょっと散歩に出ようと近所の公園に向けて歩いていたところ、
区役所前で音楽イベントが行われており、そこでハッ!と思いだしたのです。

「しまった、今日nuit blancheだった!すっかり忘れてた。。。汗」

公園の中でもうっそうと茂る木々に光のインスタレ-ションが施され、
沢山の人たちが家族や友人同士でその空間を楽しんでいました。

忘れていたとはいえ、偶然にもこんなひと時を過ごせた喜びを
芝生の上に寝転がりながらしみじみと感じた私たちなのでした。