フランス医療事情

11月になり一気に冬に突入したフランスでは、とにかく誰も彼もが
風邪をひいていて、私もご多分に漏れず大風邪をひいてしまいました💦

そこで今回はフランスの医療事情について、皆さんにお伝えしようと思います。

フランスの医療制度は、主に「セキュリテソシアル(Sécurité sociale)」と
「ミュチュエル(Mutuelle)」という2つの要素で構成されています。
セキュリテソシアルは、日本でいう国民健康保険のような
公的保険制度で、基本的な医療費用を補償してくれます。

このセキュリテソシアルは我々のようなフランス国籍を持たない
外国人居住者でも登録することができ、全ての住民が基本的な
医療サービスにアクセスできるようになっています。

一方ミュチュエルは、公的保険が補填しきれない部分や自己負担分、
補完的な健康サービスに対する費用をカバーするための私的な補完保険です。

フランスでは公的保険だけでなく、個人や企業がミュチュエルにも加入することが
一般的です。ミュチュエルにより、患者は公的保険だけではカバーされない
特定の医療費用や、補完的なサービスを利用する際の費用を軽減できます。

例えばミュチュエルで眼鏡やコンタクトレンズなどもほぼカバ-されます(年間限度額有)。

そして日本と大きく違うのは、フランスには主治医制度というのがあります。
フランスでは「一般医」と「専門医」が分かれていて、一般医とは日本の開業医に
相当しますが、この一般医でまずは主治医になってくれるお医者さんを
自分で探さなくてはなりません。

しかもフランスでは一般医でも予約制のため、電話やオンラインで予約を取ってから
診断という流れになります。なので当然すぐには予約が取れず緊急の場合は
救急病院に行かなくてはなりません(それもたいていの場合混みあっているので
平気で3~4時間待たされるのですが)。

なのでどんな症状であってもまずは主治医のところに行き、そこから専門医を
紹介されたり、薬や各種検査のための処方箋を処方されます。

日本では診断、治療、投薬は同じ病院内で済むことがほとんどですが、
フランスでは 一般医の判断で処方せんや検査の指示を受け、精密検査が必要だと
判断した場合などは状況に応じて専門医や総合病院の医師を紹介してもらいます。

なのでその度にまた一から予約を取らなければならず、とにかく時間がかかるのです。

そんなわけで、ちょっと風邪ひいたくらいで医者なんて行ってられない!
と面倒くさがったおかげで10日以上風邪をこじらせてしまったのでした。
とほほ。

【編集後記】

今回風邪をひいてからほぼ2週間が経ち、ようやく回復してきました。
コロナを経て何がよかったって、気兼ねなくマスクを付けられるようになったこと!

コロナ以前のフランスでは医療従事者以外マスクを付けるという習慣が無く、
マスクをしていると「なんか変な病気持ってんの?」と言わんばかりの
白い目を向けられたものでした。

コロナも初期の段階ではマスクを馬鹿にしていたフランス人たち。
ところが世界的パンデミックとなった頃にはマスク着用が義務化され、
生産が追い付かず50枚入り50ユ-ロ近くで売られてました。

今ではすっかりマスクに対する警戒心が無くなった彼ら。
この時期はマスク着用のフランス人もちょくちょく見かけます。
彼らも成長したもんですね~。