フランス家族事情

フランス人と家庭を築きフランスに住んでいる日本人はたくさんいますが、
フランス人家族との付き合い方に悩んでいる日本の方は多いです。

というのも、フランス人は家族の集まりが大好き!

日本では家族や親戚が集まるのはお正月かお盆休みくらいだと思いますが、
フランスでは家族の誰かの誕生日やクリスマスはマストで集合。

その他にも父の日や母の日、イースタ-、子供の学校休みなど
何かと家族で集まります。

たいていの場合実家に集合し、おじいちゃん、おばあちゃんはじめ兄弟姉妹と
その配偶者、甥っ子・姪っ子といった感じなので軽く10~20人なんてことも。

さらに実家が遠方の場合は泊りで行くことになり、子供の冬休み
2週間丸々実家に滞在、なんてことも珍しくありません。

しかも、何しろ食事が長いんです!
ディナ-の場合は19時集合だとしたら、まず誰も19時には来ません。
フランスでは時間より少し遅れていくのが礼儀なので、全員集まるのはたいがい30分~1時間後。

まずはアペリティフで、軽いおつまみと食前酒をいただきながら各々好きなように歓談します。
この時はまだテ-ブルにはつかず、リビングで好き好きに立ったり座ったりしながらお互いの近況報告などをします。

これが軽~く1時間くらい続くので、ディナ-が始まるのは21時頃。
そこでようやくテ-ブルにつき、前菜、メイン、チ-ズ、デザ-トと続きます。

なのでデザ-トにたどり着くのは23時、コ-ヒ-まで終えて
ようやく帰ろうとなるのはほぼ24時というわけです。

こういった家族の中で日本人はなかなか会話に入れず、ポツンと孤立してしまいがちです。

私の場合は幸い?ワインが大好きなのでひたすら飲んでいるとテンション上がり、
何でもいいから誰かしらとお話ししていると居心地の良い空間になっていきます。

やはり自分自身が楽しんでいればそれは相手にも自然と伝わるので
相手もリラックスしてくれるのです。

これは家族の集まりに限ったことではないですが、自分の殻に閉じこもっていると
相手にも居心地の悪さを与えてしまいます。

フランス語がたとえ下手でも気にせずどんどん話していると
相手も心を開いてくれるのです。

ただし無理は禁物。
どうしても気が乗らないときは、「今日は行かない!」と割り切ってしまっても全然ok。

自分が自然に楽しめる範囲で家族と付き合う。
これがとっても大切なのです。


※先日お呼ばれした叔父の家から見える景色!

【編集後記】

最近世界の動きがより一層不穏ですね。
フランスの状況を不安に思っている方もいらっしゃるのではないでしょうか。

皆さんご存じの通り2015年にパリ同時多発テロが起きたフランスでは
現在再びテロ警戒レベルが最高レベルとなっています。

先日仏内務大臣が X(旧ツイッター)で発表したところによると、
今年に入ってから
89人の過激化した外国人がフランスから追放されたそうです。

10月14日にはルーブル美術館、パリ・リヨン駅そしてベルサイユ宮殿で
爆弾予告があり、中にいた観光客は全員速やかに退避。とはいえそこでは
理由は述べられないので特に混乱もなく係員の指示に従うのみ。

こういったことはヨ-ロッパではよくあることで、私も10年くらい前に
ロンドンのテ-ト・モダンを観光中に突然警報音が鳴り、退避させられた
ことがありました。

その時も特に説明はなく、とにかく外に出ろという感じだったので
なんのこっちゃ?わからず、でもみんな淡々とに指示に従っていました。

今考えるとあれもテロ関連だったんだと思いますが、フランスでも
このような爆弾予告というのは年間に何百件とあるのだそう。

もちろん警戒は必要ですが、かといって今のパリの様子が物々しいかというと
全くそんなことはありません。

いつも通り友人と食事に行ったり週末には郊外に遊びに行ったりと、
そんな日常は続いているのでどうぞご心配なく!